
整骨院やスポーツトレーナーなど、幅広いところで柔道整復師は活躍しています。
今回は柔道整復師の仕事内容や資格の取り方などについて解説していきます。
目次
柔道整体師とは?
柔道整復師とは、骨や関節・筋・腱・靭帯などに発生する骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷などの怪我に対して「非観血的療法」によって整復・固定などの治療を行うことができます。
柔道整復師が用いる「柔道整復術」の歴史は古く、源流は戦国時代の武術にあると言われています。
武術の書物には「殺法」「活法」という記述があり、そのうち「活法」が発展して現在の柔道制服術が出来上がったと考えられます。
そんな柔道制服術は急性・亜急性どちらにも対応可能で、施術には3つの種類があります。
①整復法
整復法とは、骨折した箇所を元の状態に戻すことや、肩などの関節が外れた場合に元に戻すために操作する技術のことを言います。
②固定法
固定法とは、骨折や脱臼などをしてしまった場合に、三角巾や包帯、副木などを使って、患部を固定する方法です。
③後療法
後療法とは、損傷した組織を回復させる治療法のことを指します。
後療法の中にも「物理療法」「運動療法」「手技慮法」の3つの種類があります。
「柔道整復師」と「整体師」の違い
多くの人が誤解しやすいものが、「柔道整復師」と「整体師」です。
似ているような響きですが、両者は認められている施術や資格の種類が異なってきます。
両者の違いを知り、将来どちらの資格を取るかなどを考えておくと良いかと思います。
相違点について、看護師や理学療法士も加えて表にまとめたのでぜひ参考にしてください。
種類 | 国家資格 | 民間資格 | 開業権 | 保険の取り扱い |
柔道整復師 | 〇 | × | 〇 | 〇 |
整体師 | × | 〇 | 〇 | × |
看護師 | 〇 | × | × | 勤務 |
理学療法士 | 〇 | × | × | 勤務 |
大きな違いは2点あります。
まずは、国家資格か民間資格かどうかです。
柔道整復師になるには国家資格に合格することが必須になります。
もう1つは治療行為に対して保険適応になるかどうかです。
柔道整復師は国家資格であるため、医師と同じように治療行為に保険が適応されます。
一方で整体師は資格を必要としてなく、医療類似行為となるため保険が適応されません。
これから資格の取得・開業を考えている人は上記の違いをしっかり覚えておきましょう。
柔道整復師になるためにはどうすればいいの?
柔道整復師になるには、高校を卒業後、柔道整復師養成課程のある専門学校などで学び、国家試験を受ける資格をもつ必要があります。
国家試験に合格すれば晴れて柔道整復師になることができます。
柔道整復師の国家試験は年に1回実施されており、毎年3月上旬に筆記試験が行われます。
全部で11科目あり、医療資格になるので解剖学や生理学、一般臨床医学などの科目も含まれます。
余談ですが、資格受験よりも養成学校の入試の方が難しいと言われています。
人気のある養成学校であれば、数十倍の確立になることも覚悟しておいた方がいいかもしれません。
柔道整復師の国家試験について
柔道整復師国家試験の概要
試験地:北海道、宮城県、東京都、石川県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県
受験資格:3年以上、文部科学大臣の指定した学校または厚生労働大臣の指定した柔道整復師養成施設において柔道整復師になるのに必要な知識および技能を修得したもの、など。
試験科目:解剖学、生理学、運動学、病理学概論、衛生学・公衆衛生学、一般臨床医学、外科学概論、整形外科学、リハビリテーション医学、柔道整復理論よに関係法規
柔道整復師国家試験の難易度
柔道整復師になるためには、大学や専門学校で専門的な知識とスキルを3年以上学んだうえで、国家試験を受験し免許を取得しないといけません。
その国家試験の合格率は比較的高く、例年70%前後で推移しています。
そのため、学校でしっかり勉強していれば無理なく合格できる程度の難易度だと言えるでしょう。
柔道整復師国家試験の合格率
先述した通り、柔道整復師の国家試験の合格率は70%前後となっています。
しかし、以前は90%近くのとても高い合格率でした。
最近では柔道整復師の人数飽和への懸念があり、柔道整復師の国家試験の難易度が少し上がり合格率は70%前後となっています。
今後はさらに合格率が下がる可能性もありますので、早めに資格を取ることをおすすめします。
柔道整復師の進路
柔道整復師は骨折・脱臼・捻挫・打撲・肉離れなど、各種損傷に対して整復や固定、後療法を行い機能を回復させる仕事内容になります。
最近ではスポーツトレーナーなどの道に進むなど、幅広い分野で活躍している人が増えています。
そんな柔道整復師の主な進路について見ていきましょう。
①病院、接骨院・整骨院のスタッフ
②スポーツトレーナー、スポーツ施設
③医療施設、リハビリ施設、整形外科で勤務
④介護・福祉施設でケアマネージャー
⑤独立開業
多くの方はこの5つのどれかの道に進むようです。
最近では柔道整復師は日本だけでなく世界にも広がりを見せています。
柔道整復師の求人募集の探し方
最近では柔道整復師の求人は増加傾向にあり、求人サイトで募集の検索をかけてみると、かなりの数がヒットするかと思います。
しかし、就職先自体を見つけるのは簡単ですが、ブラックである場合もあるので職場選びは慎重に行いましょう。
また、資格を取ってすぐに開業するのはあまりおすすめされていません。
いったん就職をして実践を積み、スキルを磨いてから開業することがセオリーとなっています。
柔道整復師の給料について
平均年収
平均年収は約300万円~700万円未満となっています。
平均給料
平均給料は地域によっても異なってきます。
■東京:27~35万円
■地方:20~30万円
また、独立開業した場合や院長になるとさらに高くなるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は柔道整復師の試験や働き方、給料などについて解説いたしました。
どの資格を取るかによって将来の進む道などに差が出てくるので、他の資格と何が違うのか、給料はどれくらいなのかなどしっかり把握しておきましょう。
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